アドミラル56
基準排水量
89,000トン
満載排水量 123,000トン
全長 390m
最大幅 110m
(飛行甲板部分最大幅85m)
高さ 80m
喫水 12m
機関 加圧水型原子炉8基
蒸気タービン発電機4基
モーター8基4軸
298,000馬力
速力 30ノット+
航空機 約80機
兵装 局点防御用対空ミサイル発射機4基
近接防御システム4基
乗員 3,200名

日本海軍の唯一の原子力空母。フェアリイ戦争勃発に伴って提唱された、各国の軍事力を統合運用する“地球軍構想”の一環として、主要国でそれぞれ建造された空母群の1艦で、アメリカのヒラリー・クリントン級やイギリス・オーストラリア共同のイーグル、ヨーロッパ共同のグラーフ・ツェッペリンと同じグループとなる。本来はこれらの空母は同型艦として建造されるはずだったが、各国の要求や建造時期が異なるため、それぞれの相違は大きく、同型艦とはならなかった。とくにフランスは比較的早期にヨーロッパ共同空母計画からも脱退し、独自建造を目指すこととしたが、予算難や技術上の問題から今なお起工にも至っていない。

アドミラル56はグループ中でも後期に建造されたもので、各種の改良が施されている。飛行甲板の配置は基本的にはアメリカのヒラリー・クリントン級と同様だが、基本設計完成後にアクティブ・ステルスのための新型のECM/ESMフェーズドアレイが実用化されることとなり、飛行甲板の周囲にアレイ構造物が追加され、その分飛行甲板の幅そのものも拡張されている。空母のような大型艦の場合、単に外見処理だけではレーダー反射を減少させるのに限界があり、むしろECM能力を高めて敵による探知やミサイルの誘導などを阻もうというのがアクティブ・ステルスの考え方である。アイランドも本来はステルス性の高い設計で、各種アンテナも統合・コンフォーマル化されるはずだったが、アクティブ・ステルスの採用により、各種のアンテナは干渉を避けて独立装備されるようになった。飛行甲板外側のアレイ構造物のために、エレベーター4基のうち左舷後部のものと右舷中央部のものは、外舷ではなく飛行甲板内に設けられている。アイランド後方の飛行甲板に対空ミサイルなどのためのVLSが装備されているのも、アドミラル56だけの特徴である。

機関はアメリカが空母用の大出力原子炉の技術移転に難色を示したため、出力の小さい原潜用原子炉8基が搭載されている。推進システムは電気式だが、新型センサーが多大な電力を必要とするため、電磁式カタパルトの採用は断念され、スチーム・カタパルトが装備された。ECMアレイ構造物を設けたために、格納庫の容積はグループの他艦よりも減少したが、日本海軍の主力戦闘攻撃機F/A-27Cが比較的小型であるため、アドミラル56の搭載機数は約80機の水準を保っている。さらに艦のECM能力が大きいため、航空団の編成から電子戦機を減らすことができ、日本海軍の空母航空団は他の海軍よりも戦闘/攻撃機の占める割合が大きくなっている。

印象的なその艦名について、「旧帝国海軍時代の連合艦隊司令長官の名前を冠したもの」や、「建造計画が承認された年度(日本固有の紀元である皇紀2656年)にちなむ」、等の諸説があるが、日本海軍は近隣諸国への配慮もあってか公式見解を発表していない。







F/A-27C
全長
16.04m
全幅 11.76m
全高 2.80m
自重 12,040kg
総重量 18,998kg
エンジン MHF‐1180−JFターボファン
推力 9,778kg
(ミリタリーパワー)
11,030kg
(アフターバーナ使用時)
最大速度 マッハ1.8(高度12,000m)
巡航速度 マッハ0.88
実用上昇限度 21,200m
武装 20mmガトリング機関砲×1門
胴体内ウェポン・ベイにミサイル・誘導爆弾など最大6発または偵察ポッド、ドロップタン
クなど。
乗員 1名
機体荷重限界 9G+

日本海軍の空母に搭載される主力戦闘攻撃機。空軍の「支援戦闘機」型であるF/A-27Aと基本機体は共通である。他に陸軍用にリフト・ファンとベクタード・スラストを併用するSTOVL型の近接支援攻撃機F/A-27Bも構想されたが、こちらは計画のみで中止となった。陸軍が独自に攻撃機を保有することに対し、固定翼機は自分の所轄であると主張する空軍が強硬に反対したという、お役所間の縄張り争いがB型中止の理由だといわれるが、B型の構想そのものが計画の最初から多めに研究開発費を確保しておくための方便だったというのが真相のようである。

海軍はF/A-27Cを空母アドミラル・イソロクに搭載するために開発・生産したのだが、空母の建造そのものは主要国海軍の共同計画であって、当然ヨーロッパ諸国とアメリカは搭載機も共通化したのだが、日本だけは国内産業育成と技術水準保持の名目で、独自にF/A-27Cを開発した。確かにF/A-27シリーズは飛行性能もステルス性も、兵器搭載能力もアメリカ/ヨーロッパの同級機に遜色ない機体となったが、生産数はA型が98機、C型が55機と格段に少ないため、機体価格は同級機の8倍も高くなってしまった。一説にはその価格はフェアリイ空軍用のスーパーシルフにも匹敵するともいう。もちろんスーパーシルフの価格は、フェアリイ空軍用兵器の例に漏れず、公表されていないので、真偽のほどは確かめようもない。

F/A-27Cは高機動性とステルス性を重視した設計で、艦隊防空から対地・対艦攻撃、SEAD(敵対空火器制圧)、偵察など多様な任務に対応するため、大きな兵装搭載能力と航続力が求められた。しかもステルス性確保のためにそれらの兵装や増加燃料タンクは全て機内装備とされ、胴体内のエンジンと空気取り入れダクトの下に大きなウェポン・ベイが設けられている。翼配置はカナードと変形後退翼の主翼の組み合わせだが、2枚の垂直尾翼は外側に開いており、実質的には“スリー・サーフィス(カナード+主翼+水平尾翼の3つの翼面で機動性を高める)”配置といえる。さらにエンジンの排気ノズルには可動ベーンが3枚づつ装備され、スラスト・ベクタリングを行う。エンジンも日本が独自に開発したもので、額面性能やスペックは世界一流とされているが、実戦的な高機動飛行時の推力マネージメントなどエンジン・コントロールのソフトウェアは、一応満足できる実用性を確立するまでに相当苦労したといわれる。

電子装備は機首のアクティブ・フェーズドアレイ・多機能レーダーと下面の光学センサー、各部のコンフォーマル・アンテナなどと、操縦・航法システムや攻撃システムを統合している。こちらもシステム統合が難航し、F/A-27Cの転換訓練部隊の編成から実戦運用承認まで2年半も要した原因はこの開発の遅れが原因だったという。

ちなみに日本は防衛省設立後も永らく実戦部隊を「自衛隊」と呼んでいたが、フェアリイ戦争勃発からほどなく「軍」に改称している。日本の野党や一部メディアの間では、フェアリイ戦争は自衛隊を軍に昇格させる口実のでっちあげで、実際には存在しないという説が未だに唱えられている。




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